20世紀少年の最終回を批判する(含ネタバレ)

 結局、20世紀少年ってなんだったんだろ?
伏線を張りまくり、結局大半が回収されず。一番重要なはずだった「ともだち」の正体も分からずじまい。ラストは打ち切りを思わせる強引な急展開。ケンヂとカンナの再開も、「え、これだだけ?」と言うくらいの簡単な描写。「完」と言う文字からさらに2ページほど、謎のシーンがあり、最後に「2007年新春、最終章突入!!・・・・・」などと書かれている。しかし、その予告とも取れる文字の下には小さな文字で「*早口言葉です。3回言ってみましょう!」と書いてあるのだ。
 つまり最終章なんて99%ないのだ。続きなんてありゃしないのだ。編集サイドがやったのか、作者がやったのか、それとも両者が共謀してやったのかは知らんが「さすがにこの終わり方はまずいよなあ」と思ったのだろう。読者の批判をかわすために、続きがありますよ、ちゃんと終わらしますよ、と始まるはずのない次章を一応最後に予告しておいたのだ。もちろん、そんなものは用意されていないはずだ。作者・浦沢も描く気力もアイディアも全くないだろう。編集サイドもそこは重々承知なのだろう。だから「*早口言葉です。3回言ってみましょう!」と書いてあるのだ。
 これは「逃げ」を打ったのだ。来春になって始まらなくても(ってか、絶対に始まらないと思うけど)「早口言葉って書いてあるじゃん。シャレだよ。シャレ。」で済ませると思ったのだろう。
 今までこんな最終回があっただろうか。もちろん今まで引っ張りすぎたために、尻切れトンボ的な漫画はいっぱいあった。ドラゴ●ヘッド、東○大学物語・・・枚挙に暇がない。しかし、それらは一応作品として完結していた。つまらないラストだったが、一応つじつまは合っていた。ところがこの20世紀少年の最終回はどうだ。物語の核心のはずの「ともだち」の正体が明らかにされていないではないか!!!UFOが上から落ちてきて、サダキヨもろとも死んじゃったから、正体は謎のまんまで〜す、なんてアリか?明らかに作者は「ともだち」の正体を考えていなかったのだ。浦沢よ?「もう7年も描いて飽きちゃったし〜。PLUTOで忙しいも〜ん。」とでも言いたいのか?大風呂敷を広げたのはアンタだぞ?休載もしまくってたんだし、時間がなかったとは言わせないぞ。読者の納得のいく最終回を描くのが「作家の良心」、それを載せるように努力するのが「編集者の良心」と言うものではないか。
 あまりにひどい。読者を馬鹿にしている。これを描いた作者・浦沢直樹も掲載を許可した小学館の編集サイドも良心が欠如しているとしか思えない。
 私は騙されんぞ。「斬新な最終回でいいじゃないか」とか「最終章楽しみですよね〜」とか「最低だけど、最高。やっぱり浦沢だよね〜」とか言うお気楽な「信者」ばっかりだとでも思ったのか?どうなんだよ!浦沢よ。小学館よ?
 この最終回を撤回しろ。書き直せ!!今まで張り巡らされた伏線を回収しろ。最高とまでいかなくていい。それなりに納得のいく最終回でいい。この最終回はあまりにひどすぎる。ちゃんと納得できる最終回を描け。
 「早口言葉って書いてあるじゃん。シャレだってば。」「たかが漫画じゃないですか〜いい大人が怒らないでくださいよ〜」で済ませるんだったら、俺は2度とスピリッツを買わんぞ(怒)