「造反組」の復党はどんなもんざんしょ

 自民党は「造反組」の復党を決める模様だ。「古い」として切り捨てたものを選挙戦略上の理由から戻すというのは意味不明だが、2ちゃんねるでは早くも「民主よりはマシ」という「魔法の合言葉」で一部勢力が2ちゃんねる世論を誘導にかかっている。
 ところで、去年の自民党衆議院選挙は「抵抗勢力に虐められている小泉さんを助けなきゃ」とばかりに普段は選挙にいかない若者や女性が軒並み自民党に投票して自民党圧勝をもたらしたのが真相のはずだ。それなのにその支持層を離反させるような行いをやっていいんだろうか。
 復党が道徳的かどうかはさておいて、この「戦略」が成功するかどうかを考えてみる。
 「去年、自民党に大勝をもたらした連中は小泉の演説にコロッと騙されたような連中だ。どうせ来年の参議院選挙では投票なんか行きやしないだろう。小泉旋風みたいなのは地味な安倍には起こせやしないだろうから。それならば「造反組」の根強い支持票と創価学会票頼りの選挙をやるのが勝利への早道だ。」
 自民党参議院の中の人たちはこのように考えたものと思われる。たしかに普段から自民党にしか投票しないような人たちはどうせ自民党に投票するだろうし、「ニワカ自民党支持者」はどうせ二度と投票場に行きやしないだろう。一方の最大野党の民主党も小沢によって「古きよき自民党」みたいな「現実的な社民主義」政党になると思いきや、経済政策は相変わらず構造改革色に染まったまんまである。これでは自民党と違いが分からず、あまり魅力がない。こういう事情を考えれば「復党は参議院選挙で自民党勝利を導く」説は説得力がある気がする。
 しかし一方で今回の参議院選挙で改選されるのは2001年の「小泉旋風」&創価学会票で勝利した人が多数を占める。(参考:http://www.nikkei.co.jp/flash1/)2005年衆議院選挙のような「大風」ではないが、やはり「風」だのみで勝った連中なのである。
 以上のような事情を考えると「造反組」を復党させるにしても「大敗」が「小敗」くらいになるくらいが最善のシナリオということになりそうだ。一方で「造反組」の復党を認めないにしても、郵政民営化選挙(笑)ほどのムーブメントを起こせない限り「ニワカ有権者」の自民党投票は期待できないのでやはり負ける。
 つまりどちらにしても負けが予想されるのである。
 そう考えると今回の「造反組」の復党は、どうせ負けるんだから党内の融和を計って負けたほうがマシかなあ、くらいの後ろ向きなんだか前向きなんだか良く分からない微妙な戦略ということになるのではないだろうか。
 そう言えば一部で小泉が小泉チルドレンや民主前原らを伴って新党を結成するという可能性もささやかれているが、石原新党(笑)が幻に終わったのと同様に、以下のような記事を見る限り噂の域を出ないもので、ありえない度100%であろう。

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