STOP THE KOIZUMIが成功するには

(10月8日、さらに加筆修正。)

  • 現状分析 

 9月11日の選挙で自民党は大勝した。しかしながら、それは小選挙区制度の特性によって際立った差になっただけである。実際の票数を見ると世論は小泉支持、不支持で真っ二つに分かれている。

http://bewaad.com/20050912.html

 テレビに映る小泉の一見勇敢な姿に感動を覚えた普段は選挙に行かない人が大挙して小泉支持の投票行動を起こした。投票者全体から言えばわずかな数だったが、小選挙区制では少数の動きであっても極端な結果を招く。その証拠に民主の得票は前回の選挙と比べて100万票減っただけだが、自民党の票が500万票も伸びている。小泉効果恐るべし。
 テレビの影響が大きかったという証拠として、実際にテレビを長く見る人ほど、自民党支持者が多かったという読売の記事がある。
 
 http://www.yomiuri.co.jp/election2005/news/20050827it13.htm

また、郵政民営化法案否決後に小泉が行った演説に感動した人も多かったのじゃないだろうか。私の周りでもブログでもあの演説に感動したとか言ってた人がかなりいた。私にはついていけない感覚である。
 
 やはり、テレビの影響は大きい。選挙中テレビは自民党を礼賛しつづけた。(と私には見えた。)しかしながら半数はそれにも関わらず小泉支持ではなかった。
 ここに希望があるはずだ。

  • 本当の敵

 我々の当面の「敵」は小泉政権だが、その背後にあるのは構造改革原理主義である。逆に言えば、構造改革原理主義を止めない限り、小泉政権がなくなっても何も変わらないとも言える。
 現政権において新自由主義への牽引役をつとめている竹中平蔵は次の総理とまで噂されるまでの影響力を持つようになってしまっている。彼が次の総理になれば、今の路線は更に加速されるだろう。また、今現在次期総理と目される人物が選ばれても似たような状況であり、事態はどうしようもなく「危険」である。(彼の「実態」はここに詳しく書いてある。竹中平蔵大臣の研究http://www.adpweb.com/eco/eco271.html  小泉政権の本音http://www.adpweb.com/eco/eco258.html
 おまけに民主党も前原を党首に選んだので、間違いなく構造改革路線だ。どないせいっちゅうねん_| ̄|○ 個々の議員のレベルでは自民党にも民主党にも新自由主義路線に反対と思われる議員が多数いるのだが、彼らが大規模な「反乱」をおこす気配はない。
 ところで、竹中平蔵構造改革を利用して利益誘導をはかろうとする「勝ち組」の代表だと思われる。彼は言うことがコロコロ変わる。これは恐らく、彼の頭が悪いからではなくて、「真実」を述べると小泉の機嫌を損ねて権力の中枢から追い出されることが嫌というほど分かっているからではないのか。学者の良心を横において、処世術を優先している可能性がある。
 さて、もう一つの大きい敵としては大新聞やテレビである。これらのメディアは間違った経済知識に基づいて「デマ」記事を流布させている。結果として、構造改革万歳的な雰囲気に国民をミスリードした来た。これの悪影響は大きいと思う。
 今や大メディアは小泉内閣の応援団である。批判をするにしても「手ぬるい」とかそんなものくらいである。根本的な方向性がおかしいと訴える論調は今や見当たらない。
 一方でスポーツ新聞や週刊誌、タブロイド雑誌なんかは小泉政権に明らかに批判的である。この意味で一応希望は残ってると言っていいのだが、影響力は大新聞やテレビの方が圧倒的に上である。

  • ネットがテレビや大新聞などの有力メディアに勝てるんだろうか

 今や大メディアは小泉万歳的な雰囲気なので、ネットはそれ以外の意見を持つ人の受け皿としての役割を果たすと期待できる。潜在的な可能性は十分あると思いたい。(断言はできん)
 実は意図せずして反小泉運動をやっていたHPはかなり前から存在していた。経済コラムマガジンなんてそうだし。亀井静香勝手連なんかもかなり前からある。いちごびびえすの経済板なんかもそうだった。(過去形なのは中心人物が抜けてしまったから)これらのHPの本来の目的は反小泉ではないのだが、「正しい」経済政策を追求するとどうしても「反小泉・竹中」になってしまうようだ。これらのHPに書いてある経済政策の内容は非常に緻密であり、かなり信用できると思われる。(と言っても私も専門家じゃないので、彼らの意見を読んで、相対的に説得力があるなあ、と判断しているくらいだけど)
 しかしながら、これらのHPが世論に影響を与えているかと言われればかなり疑問だ。巷に存在するカルトなファンの憩いの場になっている、というのが現状だろう。(私は影響受けまくりだが)
 この原因をどう考えれば良いのだろうか。
 いくら「正しい」政策を理知的に訴えようが、小泉の感情に訴える空疎なパフォーマンスでかき消されてしまうと言うことなのだろうか。
 それとも多数派を形成する「営業努力」を今までやって来なかったからであろうか。
前者だったらどうしようもない。しかし後者だったらなんとか希望が持てる。ちゃんと正しい情報が伝わる方向に努力すればいいからである。(そもそも多数派の形成なんて目的じゃないとそれらのHPの住人に言われりゃどうしようもないが。)

  • 外国ではどうなんだろうか?

 ネットの政治に対する影響力は、外国ではどうなんだろうか。
 
 これについては私の拙い見識の中で一つだけ思い当たることがある。ちょっと前に韓国人の友人が言っていたのだが、韓国ではネット上の選挙運動が大きな原動力になって、実際に大統領を当選させてしまったことがあったらしいのだ。今ではその大統領の支持率は10%台らしいが(笑)、とにかく世の中を実際に動かしたのである。これについては、以下の記事が詳しい。 

インターネットが政治を動かしたBB先進国・韓国のオンラインメディア

http://www.pc-view.net/Business/030926/
http://www.pc-view.net/Business/030926/page2.html
http://www.pc-view.net/Business/030926/page3.html

どうも韓国では旧メディアに対する不信感が強かったので結果的にネットが影響力をもつに至ったようだ。
日本とは条件が違うのだが、日本でもなんとかこういう状況を作れないだろうか。どうやればいいかはちょっと私には分からん。

  • 最後に

 やっぱり私の悪い頭で考えても実際にどう行動すればいいかははっきりと分からん。主要政党も主要メディアも新自由主義路線だぞ。八方塞がりだ〜〜。
 誰か頭のいい人、事態の打開の仕方を教えてくれ〜。私ももっと考えてみる。