「少年による重大事件「かなり増えている」と感じている人が増加」

 http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050320k0000e040001000c.html

なんと9割以上の人が少年の重大事件が増えていると認識しているらしい。
重大事件、が何を指すのかサッパリ分からないわけだが、とにかく「重大な少年事件が増えている」、9割がたの人がそう感じているらしい。

 実際には戦後の少年の凶悪犯罪は減少傾向にあるわけであるが(参考:http://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson2.html http://kogoroy.tripod.com/hanzai.html)、そういった事実にも関わらずほとんどの人々は最近の少年は凶悪だ、と思っているらしい。人間の印象はいい加減であるが、数字は嘘をつかない。したがって9割がたの人は「勘違い」をしているのである。
 この原因はすごく単純であると思う。マスメディアによる結果としての印象操作である。凶悪事件があれば大々的に報じ、上のような少年の凶悪犯罪が戦後一貫して減少傾向にあることは一切伝えない。マスメディアは悪意があるわけではなく、その方が「視聴者にウケル」という「市場原理」で動いているからである。視聴者の側はそんな意図には気づかずに「素直」(馬鹿とも言う)に受け取ってしまっている。メディアリテラシーなんて全く根付いていない証拠である。子供にメディアリテラシーを教える前に、9割がたの大人がまず教育されなくてはならないようである。(上のアンケートは成人が対象だったそうだ。)

「少年非行を招く社会環境の問題点(複数回答)に関しては「コンビニエンスストアカラオケボックスなどの深夜営業」が50.6%(前回比11.7ポイント増)、「簡単にインターネットで暴力や性、自殺に関する情報を入手できる」が50.1%(同32.0ポイント増)と多かった。」

 間違った現状認識に基づいた原因探し。こんなものは全く意味がない。少しでも人々に疎ましいと思われたものは全て犯人に祭り上げられる。曰く、インターネット、ゲーム、携帯電話、コンビニ、マリリンマンソン、働く女性。。。。不毛は犯人探しは続くよ、どこまでも。しかし、その行き着く先は不当な弾圧である。21世紀にもなって魔女狩りをしているのである。
  
 このようなお馬鹿な悪循環をどっかで断ち切れないであろうか?
情報の流し手であるマスコミに変革を求めるのは無駄である。所詮、銀行や土建屋業界と同じく保護産業である。自浄努力なんて期待するのは不可能である。(話はそれるが、ニッポン放送やフジテレビの経営陣が別の商売人に変わろうがほとんど何の変化もないであろう。)
 よって受け手が変わるしかない。情報を鵜呑みにしないで、考えることである。大新聞にこう書いてあった。エライ教授がこう言っていた。有名司会者がこういっていた。そんなことは全く真実と関係がないと認識することである。
 あらゆる権威を疑い、その中から真実の情報を見極める力を獲得する以外にこの悪循環から抜け出す手は無い。