やっぱり出回った

 深夜に帰宅してみれば、イラクの人質だった日本人の殺害現場動画がネットに出回り2
ちゃんねるでは祭り状態。
 今までの人質事件でも殺害映像は多数出回ってたので、恐らく出回るであろうと予測は
できたものの、同じ日本人が殺された映像が出回っているのである。驚愕、というほかは
ない。
 私は動画を見る勇気がないヘタレ(関西弁で弱虫)であるが、スレッドにご丁寧に文字で説明してくれてる香具師(笑)がいたので状況は理解できた。
 非戦闘地域(不思議な言葉である)に足を踏み入れた彼であるが、結局のところほとん
無政府状態に近いのがイラクの実態な訳で、そんな中で目立つ出あろうアジア人がさしたる目的もないのにノコノコと入って行き、当然のごとく捕まり、運悪く殺害されるにい
たったのである。あまりに軽率と言えば軽率であるが、やはり憐れである。
 特に彼の両親に対しては気の毒この上ない。新聞記事で拝見する彼の両親の言動を見て
いるとかなり日本人として常識のある立派な方々のようだ。それだけに一層、残された両
親は哀れである。
 ところでこの日本人を殺害した犯人グループであるが、イラク国内での評価はどんなも
のなのであろうか?
 アメリカに根拠無きいいがかりをつけられ、自国民を大量虐殺された挙句、国内はほぼ
無秩序状態になり、多くの人の生活は破綻させられた、のが今のイラクであるが、イラク
人たちは自国をそういった状況に陥れた「外国人」たちをどう思っているのであろうか?
 「自衛隊は復興支援のために行っている」とは言うものの、それはあくまで日本側の理
屈、この理屈がイラク人に伝わっていることを切に願うが、内心、イラク人は外国人に
が殺されることを喜んでいるのではないのか?とうがった見方もしてしまう。自国民が無
根拠に殺されたのだ、内心復讐を考えるのが人間の心理と言うものだ。純粋な数の論理か
ら言えば、理由無く殺されたイラク人の民間人ほうがはるかに多いのだ。イラク人は言葉
では「なんと残酷な連中、ひどい」といいながらも内心、ほくそ笑んでるのはないかしら
ん、と「加害国」である身としては疑心暗鬼になる。
 しかしながら原爆を落とされ数十万人を虐殺されても、「あれは日本が悪かったのだ」
などという理屈さえ生み出されている、「敗戦国モデル」日本の例もあることだから、こ
れからイラクが経済的に復興、発達し、戦勝国によって作られた「正しい歴史」により、
「正しく」教育された「新しい」イラク人たちが生産されれば、後世のイラク人はこの事
件を非難するのであろうか。
 アメリカ合衆国日本自治領(苦笑)は新しくアメリカの属国になったイラクアメリ
に支配されたという屈辱を受けた仲間であると共に、大量虐殺を支持し、占領に加担した
立派な「加害者」である、という矛盾した立場である。
 明日が休日だから、夜更かしし、なんだか分からぬままに眠い目をこすりながら、半ば習慣的にブログをを書き始め、己の歪んだ歴史観を披露し、わけが分からなくなったとこで、我が身の不可解さを笑いながら、眠りに入る。