忙しいので簡単に

 早いものであの大震災から12年である。当時は京都にいたが、ベッドから投げ出されたのを覚えている。そこからテレビをつけると神戸を震源地とする地震だと言う。京都にいても結構すごい揺れだったので、早朝だったが神戸市東灘区の友人に電話した。電話に出た友人は棚の上からものが落ちてきて足に当たったらしく、しきりに「痛い」と言っていたが、とにかく無事だった。
 その時点では大きい地震ではあったが、大惨事であるという認識がお互いになかったので、笑いさえ交えつつ1時間くらい他愛もない話をして、今日また会おうねと数時間後の再会を約束し電話を切った。
 数時間経って阪神高速が倒れている映像がテレビに映しだされた時にようやく大惨事であることが分かって来た。そこから先は歴史に記憶された通りである。死者6434人。家屋を失った人もたくさんいた。
 電話で話した友人ともその後1ヶ月くらい直接会うことはなかった。時々電話すると電気・水道が止まっているとか、今日は自衛隊の風呂に入れたとか言っていたと記憶している。
 あれから12年。亡くなった方々に黙祷をささげる。