想像以上に深刻です

 7〜9月期の実質GDP、年率0.8%増に下方修正

 11月に発表した1次速報の0.5%増(年率2.0%増)から大幅に下方修正された。景気実感に近い名目GDPも、1次速報の0.5%増(年率1.9%増)からマイナス0.0%(年率マイナス0.0%)に下がり、9四半期ぶりのマイナス成長となった。

 やはり、ゼロ金利解除の影響は確実に広がっている模様。

 ここで気になるのはリフレ派が期待を寄せる中川秀直の動向だが・・

 自民幹事長、GDP下方修正は金融政策が一因と認識

 中川氏は今年7―9月期の国内総生産(GDP)改定値が大幅に下方修正されたことに関して「考え得る政策の影響はゼロ金利の解除などしか思い浮かばない」と述べ、日銀の金融政策が一因だとの認識を示した。そのうえで「金融政策が実体経済に与えた影響を検証し、国民に説明してほしい」と注文を付けた

 ここまでは前の政権と同じだ。福井は辞める気配は今のところない。それどころか早期利上げの意欲を言葉の端々に滲ませている。「インフレにしたら負けだと思ってる」としか思えない狂気の集団はどう出るか。
 問題は中川が日銀法改正まで踏み込むかどうかだが・・・・・・
 結局小泉竹中も5年の長期政権にかかわらず金融政策については(他でも?)無為無策だったし、さらに求心力が低い安倍政権(事実上、中川秀直政権だけどさ)がそこまで踏み込むだろうか。
 今のところ来年の選挙対策で忙しそうだし、やりそうにない気が・・・

12月10日追記:中川秀直本人のHPにコメントが載ってた。

  (日銀)日銀が「平成の関東軍」などといわれることのないことを期待する

戦時中の日本では、戦線を縮小しようと思っても、「それでは指揮官である○○の顔が立たないではないか」と、指揮官の面子問題で戦略目的なき戦線拡大が続き、取り返しのつかない泥沼に陥って行った。それは戦後日本の企業社会にも残る宿痾のようなものだ。日銀はその宿痾の例外でなければならない。

また、戦前・戦中の日本は軍部が「統帥権干犯」の名で政府の介入を排して、軍部の暴走が始まり、最終的には本土決戦という名の「一億玉砕」の一歩手前まで突き進むことになった。

政策協調を「統帥権干犯」と誤認して面子問題で政策を強行すれば、再び、日本経済はデフレに戻るだろう。それは「平成の経済的一億玉砕」を意味する。

日銀は政策手段の独立性は有するが、日銀法第4条で政府との意思疎通を図らなければならないことになっている。政府との意思疎通を欠き、国民生活や実体経済から遊離し、「平成の関東軍」などといわれることのないことを期待している。(12月9日記)

 うーん、最もな批判なんだけどねえ。実際にあんたはどう動くわけ?と言いたいねえ。政府と日銀の表面上の対立はもう飽き飽きだよ。政府が日銀の利上げを牽制するくらいじゃ不十分なわけだよ。それはもう分かってるんでしょ?だって、中川秀直本人がこう書いてるじゃないか。

私は、マクロ経済運営の基本は「一に金融政策、二に税制、三、四がなくて五に補正」といっている。それほど、金融政策の影響は大きい。ここで景気が後退して再びデフレの時代に戻ったら、また、新規学卒者から正社員雇用の機会を奪うことになる。多くの若者の人生のチャンスを奪うことになる。日銀は自らの責任を十分に自覚していると思う。

 流動性の罠とかリフレとか言う言葉がないのは気になるけど、ある程度理解してると読み取れる文章だ。じゃあね、中川さん、そこまで分かってるんだったらやることは一つでしょ?決定的な判断を政府が下すべき時期はとうに過ぎてるのだよ。今でも遅すぎるくらいだ。日銀法改正・インフレ目標設定という政治的決定に一刻も早く踏み込むべきじゃないの?。このままじゃ関東軍の暴走を止められなかった政府として名が残るんじゃない?日銀を関東軍呼ばわりしてるうちは責任のなすりつけとしか思えんよ。