自民党はどこへいく(選挙の数字編)

どうも自民党造反組」の復党は確実な情勢らしい。これを実行するとどうなるのか、今回は衆議院選挙の数字から予測してみる。(参議院選挙のまとまった数字は見つからんかった・・・_| ̄|○

http://bewaad.com/20050912.html#p02から拝借した衆議院選挙の比例区の得票数の推移

政党 2000年 2003年  2005年
自民 1,694  2,066  2,558
公明   776   873   893
与党計2,470 2,939  3,451
民主 2,166 2,210  2,075
共産 672 459  487
社民 560 302  369
その他 116 -  323
野党計3,514 2,971  3,254

投票率62.45% 59.81% 67.46%
http://www.promised-factory.com/100years_after/house/turnout-r.htmlから引用

これを見ると自民、公明が順調に得票を増やしていることが分かる。とくに2003年と2000年の数字を比べると分かるが、自民は小泉人気で+350万票もしていたのだ。おそるべし小泉人気
共産、社民は2003年に底を打って微増する傾向?民主は2003年が最高で前回の選挙で150万票減らした。

ところで有権者数は大体1億人である。(http://www.pref.hiroshima.jp/senkyo/senkyo/shugi_kekka2/01.html
2003年と2005年を比較すると投票率が7%ほど増えている。つまり700万票増えた。そのうちのほとんどの500万票が自民党に行った。だから前回の選挙では自民党が大勝したのだ。残りの200万票は国民新党新党大地新党日本=300万票で、民主党が150万票ほど減らしたので大体辻褄があう。

自民党造反組の復党を認めてしまうと、おそらくこの500万票を失うことになる。なぜならこの「普段は選挙に行かなかった層」は小泉の「力を貸してくれ」という訴えに答えた「一時的な自民党支持者」であると思われるからだ。今頃「復党?そんなアホな!」と思っているはずである。その人たちはただでさえ投票率が低い参議院選挙のこと、かなりの確率で投票に行かないと予測される。すると、これだけで-500万票になる。もちろん創価学会の磐石な支援はあるんだろうが、それはここ10年くらい同じだったわけで・・・おまけに小泉人気というドーピングがなくなってしまったので、小泉政権以前の水準に得票数が戻ることになる。
 あらら?小泉人気消滅で−350万票、さらに小泉の郵政マジックも消滅で-500万票、2つの「魔法」が消えて計-850万票だぞ?これってかなりやばくね?安倍が人気とは言っても小泉のように+350万票が期待できるとは思えん。
 さらに旧自民党である国民新党新党大地新党日本(いずれも民主党と共闘すると思われる)は前回の衆議院選挙と違って入念に準備をしてくると思われる。すると300万票以上は確実に獲得してしまうと予想される。
  一方の最大野党民主党はどうなんだろ?
 民主党は小沢に党首が変わったのだが、民主党は相変わらず良くわからん政党のまんまである。民主党は元々「改革」を掲げた政党だった。つまり「自民のやり方では手ぬるい」と批判する立場だった。今なお、国会答弁などではそう言っている。ところが小泉の登場でその存在意義が薄れた。しかし、薄れたにもかかわらず2003年の衆議院選挙では自民党を上回ってるのだ!よく見ると2000年と2003年では共産、社民が減っている。その数あわせて-450万票、数字の動向を見る限り、その大部分は自民党へ?残りが民主党へ行った印象である。やはり、小泉人気はすごかったのだ。しかし、それにもかかわらず2003年では得票数で負けていた。自民党はここまで「基礎体力」が弱っているのである。これは重要な事実だ。
 政策面では安倍が中国・韓国と首脳会談したことで、アジア重視という民主党外交政策が霞んでしまっている。経済も安倍政権が格差是正なんて言ってるので、民主党格差是正はあまりメリットが・・・
 小沢民主は掲げているスローガンは旧自民党、実際の政策は新自由主義のまんま。わけわかりまへん。わけわからんまんまだったら、有権者は2005年以前の投票行動を取るのだろうか?ここらへんがかな〜り不透明だ。民主党が2001年と2003年の総選挙並に2100〜2200万票を獲得できるか?そこらへんがポイントだ。しかし敢えて言ってしまえば2003年の時点でも民主党は正体不明の野党だった。それでも「なんとなく」票は入っていたのである。不思議なものである。
 
結論:来年の参議院選挙は民主党自民党と違いを出せるかどうかにかかっている。と言っても安倍自民もかなり政策がわけわからんので、違いを出すのは逆に難しいかも知れない。安部自民は掲げている看板は「改革」、中身は「?」なのである。一応閣僚の面々を見るとサプライサイドの政策しか言ってない連中ばかりなのだが、歳出削減をおしすすめると表明したり否定したりで、イマイチ何がしたいのか良く分からん。これは小泉政権中期から同じなんだけどね。教育改革を掲げてはいるんだけど、教育基本法を改正したからと言って、国民の支持がすごいあがるわけでもないだろう。もちろん「増税」でも言い出せばかなり自民党は不人気になるが、さすがに選挙が終わるまで言わないだろう。あとは安倍の取れる最大の手は北朝鮮拉致被害者救出を実現するかどうかだが、現在の情勢から言って来年の選挙までに実現するとは到底思えない。景気の動向もかなり重要なんだが、現代の陸軍こと、悪の秘密結社日銀の態度が変わらない限り、ショボい「景気拡大」は続いても好景気は到来しないであろう。中川も日銀法改正まで行くとは思えんし。いまさら公共投資増大なんて言いそうにないしね。
 とすると安倍自民は小泉就任以前の衰退自民党とまではいかなくても、それよりも少しマシな劣化版小泉自民と言う印象だろうか。劣化版小泉自民と小沢民主・・・・・うーん、有権者はどっちが「マシ」だと思うんだろうか。
 なんかどっちもどっちで逆に共産、社民、国民新党新党日本新党大地なんかが伸びる気もしてくる。
 
 んでまあ、結局は良く分からんっす。