田中県政というのはなんだったのか(加筆修正)

 田中県政というのは結局なんだったんだろうか?彼の奇抜な政治語法や手法を全く考慮せずに、数字や中身だけで判断するならば、小泉とまったく同じでケチケチ財政で切り詰めまくっただけなのである。清貧主義に陥り、逆に弱者を追い込んでいる従来のサヨクっぽい連中には人気があるのは、単に「脱土建政治」だの「靖国参拝反対」だのの考えがサヨクと似てるからじゃなかったのだろうか。しかし田中の経済運営は事実上小泉と同じなのである。一言で言えば「縮小均衡」である。もっと簡単に言えば「衰退」である。財政の健全化などは経済の成長路線を目指す以外に方法など存在しないことを考えれば根本から間違っているのだ。
 公共事業を減らしたのはいいんだけど、代わりにどんな新規産業があるのか。さっぱり見えてこない。彼は林業を打ち出しはしたもののその後それが失業者を吸収したと言う話は全く聞かない。
 もっと言うならば「21世紀型の新しい経済」なんてものは存在なんてしないのだ。敢えて言うならばダムとか従来型の公共事業を別の言葉で言い換えて実践するとか、光ファイバーの設置とか、電柱を地下に埋めるとか内容を少し変えてみるくらいである。乗数効果というのは相変わらず有効なのだから。それは内実は商店の「新装開店」と同じで、結局中身はほとんど変わっとらんやんけ、とツッコミが入るような代物でしかありえない。
 もちろん田中の経済運営が全く小泉と同じわけではない。教育や福祉は国が責任を持つべきだ、という言説はある程度評価は出来る。しかし、小泉と田中は「縮小均衡」という不毛な経済運営路線が根本にある点で同じ穴のムジナであると言える。 

 んでまあ、長野県民はそれを見抜いたのか、見抜いてないのは分からんが、昔の方が良かったと無意識に判断したのかもしれない。
 
 んで、田中康夫の今後だが、おそらく国政に乗り出して来るだろう。すでに彼は新党日本の代表である。田中の経済的な主張は民主党あたりの経済路線と酷似しているので、喜んで担ぎ出すだろう。経済オンチどうし結びついてどうなることやら・・・このブログでも何回も主張しているが、経済運営で正しいことを言ってるのは国民新党とあとはギリギリ共産党くらいのものなのである。後は全てトンデモであり、日本を衰退まっしぐらの政策しか打ち出していない。

 そういえば小沢が秋に出すとか言ってたちゃんとした経済政策はマダなんだろうか。
 ロクデモないことが出てくることは8割がた間違いないが、それでも少しは期待してしまう。万が一の可能性であるが、小沢が国民新党のような経済政策を持ち出せば。。。小沢がスローガンとして連呼する、「年功序列、終身雇用」を守る経済政策は国民新党の経済成長路線しかあり得ないのだ。
 自民党の次の総裁は安倍になる可能性が高いわけだが、彼も間違いなく、構造改革という名前の「縮小均衡路線」を取ると思われる。しかし、それは他党にとってすごいチャンスなのである。
 ここで小沢が経済成長路線を掲げる経済政策を打ち出せば・・・小沢は間違いなく日本の救世主になれるのだ。彼がことあるごとに持ち出す「対立軸」を鮮明にするにはそれしかないのである。田中の落選が小沢の考えに少しは影響すればいいんだが・・・