やっぱり意味の分からない民営化
このエントリーを読んで寒気がした。このエントリーの中で金子勝と田原総一郎の郵政民営化に関する対談が引用されているのだが、これによると、なんと、小泉は郵貯が特殊法人に流れる仕組みを変えたのを知らなかったらしいのである。それではなんで郵政民営化に小泉がこだわっているとかと言うと「私の信念だから」。これだけらしい。
彼が反論や批判を受け付けないのもこのためだったのだ!彼はこの国を良くするために郵政民営化をしたいのではない、己の信念を満足させるために郵政民営化を推進しているのだ!!
私は以前のエントリーで彼をスターリンやヒトラーや毛沢東などの「純粋に理念のために行動して、国民を恐ろしい惨禍に巻き込んできた人間」と同じだと批判した。この数日お盆休みなので郵政民営化に関するブログやHPを読み漁ったが、私のその批判がますます正しいと確信するばかりである。
以下は上記のエントリーで私が印象に残った言葉である。
その記事は「政策というより信仰だ」と題して、まず金子氏の
「郵政民営化とは、そもそも何を目的としていたのか、まったく見えなくなってしまいました。民営化をすれば改革だという呪文のような言葉が一人歩きして、反対する者は悪者だという単純な二分法がまかり通っています。郵政民営化に賛成している人は、いったい誰なのでしょう。」
という疑問から述べられています。
それに対して、田原氏は
「僕の独断と偏見で言えば、自民党のなかで郵政民営化を本気で、絶対にやらなければならないと考えている人はたった一人。
小泉純一郎さんだけです。逆に反対しているのは二人。亀井静香さんと綿貫民輔さん。あとは言わば烏合の衆です。野田聖子さんも反対していますが、どちらかと言うとパフォーマンスの意味合いのほうが大きいでしょう。
(略)
郵政民営化について、自民党のいろんな人に聞いても、どうしてもやらなければいけないと、僕を納得させてくれる人はいない。小泉さんに重用されている人は推進派、重用されないと思っている人は反対派。理屈はあまりない。」
「政策というより信仰だ」
民営化をすれば改革だという呪文のような言葉が一人歩きして、反対する者は悪者だという単純な二分法がまかり通っています。
自民党のなかで郵政民営化を本気で、絶対にやらなければならないと考えている人はたった一人。
郵政民営化について、自民党のいろんな人に聞いても、どうしてもやらなければいけないと、僕を納得させてくれる人はいない
その通りなのだ。本気(狂気)なのは小泉のバカただ一人であり、それに賛成しているのは絶対権力者である狂人小泉に擦り寄る連中だけなのだ。狂った権力者も問題であるが、それに擦り寄る連中はさらに問題である。一体何のための議院内閣制なのか。いつから日本は北朝鮮のような体制になったのか。
私は長い間「参議院は良識の府」という言葉を疑ってきた。しかし、私は今回の騒動で、その言葉の重みが分かった。権力者の好きたい放題にさせないためにはやはり二院制は必要なのだ。
そういえば私の祖母が言っていた。
太平洋戦争の時である。日本兵5,000人を玉砕させるか、脱出させるという話になった時に、作戦本部長は「絶対玉砕」を叫び、次長は救出を言った。立場は違うが、次長は立場上、本部長に従わねばならない。そこで、日本兵5000人の命を助けたい次長は本部長を刀で切り殺し、救出作戦を実行した。そのおかげで5000人の命は助かった。しかし、彼は軍法会議にかけられ終身刑になったというのだ。
もちろん、このような行動をとった人は少数であり、多くは上官の無茶苦茶な命令に従って、兵士を見殺しにしたのだ。
今の状況もこれと同じではないのか?狂人である小泉は最高権力者である。部下である自民党議員は立場上、たとえ無茶苦茶な命令であっても、小泉に従わねばならない。果たして、多くは小泉の無茶苦茶な命令に服従したのである。
小泉に弾圧されても反対した議員を私は心から尊敬する。そして、脅されて賛成票を投じた議員を私は心から軽蔑する。
今度の選挙で小泉を追い落とさねば、日本はとんでもないことになる。
(参考)