ナベツネさんの言い分

文藝春秋の最新号にナベツネさんの一連のプロ野球騒動に関する釈明が載っていた。
 一場問題ででは「金を渡していたなんて知らなかった」とか言ってるけど。。。
うーん、どう考えてもドラフトで取りたい選手に「栄養費」を渡していたのは長年の慣習だったはずで、知らないはずはないと思うのだけどなあ・・・
 私はこんな些末な(だよな?)問題よりもかねてから、彼の描いている日本のプロ野球の将来図を聞いてみたかったのだ。だって、今まで彼の考えをちゃんと載せた記事なんて見たことないからである。
 それに昨今マスコミで騒がれている「日本のプロ野球アメリカを見習え」の論調は私はかなり胡散臭く感じている。
 これは私が基本的に反米論者だからだけど、他所の国の制度が100%正しく、自分の国の制度が100%間違っている、なんて到底考えられないからである。
 さて記事によれば、アメリカのプロ野球は放映権料を公平に分配している、というのは間違っているのだそうだ。アメリカではケーブルが発達していて、各球団はそのローカルのケーブル放送からの収益がそれなりにあるそうである。
 また、大リーグは数を増やして成功した、というのも間違っている見方で、事実は成金により売名買収が横行してるだけ、なんだそうだ。
 つまり、ナベツネさんは我々は大リーグについてあまりにも無知で、いいところばっかりをつまみぐいし、礼賛しているだけだ、と言うのである。
 私は彼の主張が正しいのかは知らない。しかし、彼はプロ野球のオーナーとして相当勉強はしているはずで、嘘をついているわけではないと思う。(栄養費を知らなかったはずはないと思うけど、知識は別だ。)
 このアメリカの制度を礼賛し、日本はダメだ、というメディアの論調は、ここ数年、規制緩和万歳などの経済での報道でも同じ事をやってきており、私はそれはアメリカの経済制度を知らない誤った礼賛だった、と個人的には思っている。
 やはり、いまさらながらであるけれど、2リーグ制でやっていけるのか、という根本議論がないままにプロ野球騒動の第一幕を閉じてしまった、という印象が強くなってきた。第一幕の後に起こったのは、パリーグの1,2位チームの売却という経済的な破綻を如実に表わす現実だった、ということからも、その印象はいっそう強くなっている。
 経営側はメディア戦略を間違っただけで、やろうとした内容は正しかった、なんてことがここ数年のうちに判明する可能性は低くない。
 それにしても日米野球、やっと一勝かよ!これじゃあ、ますますプロ野球見離れが加速するぞ。